越境EC(クロスボーダーEC)をこれから始める方へ-3. 税金について
こんにちは、このサイトを運営している松岡評(ひょう)です。
本ページをご覧頂きましてありがとうございます。
越境EC(クロスボーダーEC)は、国内でのECとどこか違うのか?代表的なものを挙げてみましょう。
今回は、「税金(TAX)」です。
商品を海外へ販売する際の税金の処理をちゃんとしておかないと、後で、必ず、お金と時間の損をします。
では、どうすればいいんでしょうか?
1.日本国内での税金処理
売上を計上する際には、「輸出売上」として税率を0%にします。ここを必ず確認しておいてくださいね。国内売上と同じ設定のままで、内税として売り上げを計上してしまうと、10,800円の場合は、税抜きの売上は10,000円で、税金は800円。この税金は、お客様から預かっていることになっていますので、国庫へ納めることになってしまいます。
実際に、預かっていない税金を国庫に納める必要はありません。後で訂正するのも大変ですので、仕訳の計上はしっかりやりましょう。
商品を海外へ販売する場合は、税金を掛けません。なぜなら、国内販売ではないので、日本の販売に関する税金は掛からないからです。税金は、商品を受け取る際にお客様に支払い義務があります。
2.海外のお客様の支払い義務
国や地域によって税率が異なりますので、お客様は商品を受け取る際に、定められた税率に従って税金を支払います。税額の計算は、Commercial Invoice(商業送り状)に記載されている価格に基づいて計算されますので、商品価格と送料を明記しておく必要があります。損害保険を付けた場合は、それも記載します。
Commercial Invoiceの金額が安くなると税金も下がりますので、お客様によっては、「Commercial Invoiceの金額を下げてよ~。支払いはちゃんと終わってるんだから、いいでしょ?」などとリクエストしてくる場合もありますが、これに応えるのは止めましょう。これは、Under Value(アンダーバリュー)と言って脱税の片棒を担ぐことになるので、お断りするのが正解です。
おまけの簡単貿易英語:DDU(税金はお客様が支払い)
貿易用語でよく出てくるのはFOB(本船渡)、CFR(運賃込)、CIF(運賃保険料込)などで、これらは海上輸送を基準につけられた名前です。Commercial Invoiceに記載された価格が何を含んでいるのかを表しています。簡単に言えば、FOB(本船渡)は商品代+船積費用、CFR(運賃込)は商品代+船積費用+運賃、CIF(運賃保険料込)は商品代+船積費用+運賃+保険料となります。これらには、輸入地で発生する輸入通関や配達料などの費用は含まれていません。輸入者側での手配となります。
では、BtoCの越境ECはどうでしょうか?輸送方法は、航空便がほとんどで、海外のお客様のところまで配達します。これで、多く使われているのが、DDU(Delivery Duty Unpaid)です。価格に、商品代と通関料を含む輸送の全額は含まれていますが、お客様側での税金は含まれていません。税金は、お客様が商品を受け取る際に払って頂きます。
参考までにDDP(Delivery Duty Paid)というのもあります。これは、価格に商品代と通関料を含む輸送の全額に加えて、税金も含まれているものです。発送する側が税金まで払う必要がある場合に使い、FedExやDHLなどのクーリエ便などで手配ができます。
昔、私がメーカーの貿易部勤務の時に、海外へ販売した商品の中から不良品が見つかりました。不良交換品の発送でお客様に税金を払って頂く訳にもいかないので、このDDPで送ったことがあります。運賃はすぐに輸送会社から請求が来たのですが、税額計算には時間が掛かり、2か月後くらいに輸送会社から会社に請求がきました。経理から「松岡君~。何これ?何でうちが海外の税品を払うのよ!」と聞かれて、関連書類を集めて説明したことがありました。なので、よ~く覚えてます。
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